2016.01.05

獲得免疫とは

歯医者で使用する歯科用金属は水銀アマルガムなどが使用されていましたが、露出した水銀が血液に入り込み、様々な体調不良や重度の金属アレルギーなどを引き起こしていました。今では歯医者の歯科用金属ではそうした水銀の含有量が多い詰め物などはほとんど使われていませんが、保険適用の銀歯などでも金属アレルギーを引き起こすリスクは抱えています。こうした歯医者での歯科用金属が原因で生じる金属アレルギーについてはかつてより警鐘が鳴らされていましたが、これらは体内の免疫機能が大きく関わっています。
免疫機能には大きく分けて自然免疫と獲得免疫がありますが、ここでは歯医者での歯科用金属が原因となる金属アレルギーについて、獲得免疫の働きと合わせて見ていきましょう。
まず体内に異物が侵入すると、自然免疫が反応し排除しようとします。ナチュラルキラー細胞やマクロファージなどがよく知られていますが、風邪や各種のウイルス性の疾患などの際にこうした自然免疫が反応し人体への影響をブロックします。これらが自然免疫ですが、獲得免疫は一度抗原に対して抗体が作成されたものを指します。つまり二回目以降の抗原の侵入に対して、一回目の記憶を保持した状態で対抗していくのですが、抗体同士が連携を取り合いスムーズに対応していきます。こうした性質を利用したものがワクチンなのですが、これは直接自然環境下で抗原による攻撃にさらされる前に、一度人工的に弱めたウイスルをワクチンとして摂取し、抗原を作らせるというものです。
このように獲得免疫では悪意ある抗原に対して人間の体が作った学習システムですが、金属アレルギーの際にはこうした抗体の反応が過剰に生じてしまい、皮膚疾患や様々な不快症状を引き起こしてしまいます。金属アレルギーは一般にネックレスや貴金属のアクセサリーが肌に触れることで発生すると知られていますが、前述した通り歯医者での歯科用金属も金属アレルギーの原因になりかねません。実際これまで金属アレルギーの反応を見せていない方も、歯医者で歯科治療を受けた後に金属アレルギーの諸症状を発生したというケースも多数報告されており、反対に金属アレルギーの症状を発生させていた方が、歯医者で歯科用金属をその他の素材に変えると症状が消えてしまったというケースも多数報告されています。このように歯医者での歯科用金属とアレルギー症状の因果関係は経験則でも証明されていますが、研究データレベルでも解け出した金属イオンが体内に取り込まれていることが、毛髪検査や血液検査でも確認されています。中々歯医者での歯科治療が原因で肌の疾患や鼻炎などを引き起こすことは想像しにくいですが、一度歯医者での歯科用金属を見なおしてみてください。