2015.12.29

金合金について

金属アレルギーが社会問題として取り上げられるようになって久しいです。通常、金属そのものは人の体に無害なものです。その金属が汗や唾液などの体液によってイオン化した金属が体内に入ってゆきます。例えば、汗をかくとネックレスや時計の肌に接触する部分が赤くなったりかゆみが出るのは、汗の塩分が金属のイオン化を促すからです。人体に入った金属イオンは体内のタンパク質と結合します。このタンパク質と結合した物質(アレルゲン)が異常な物と体内では認識されてしまい、生体がアレルギー性をもつようになり、再び同じ金属が体内に入ってタンパク質と結合すると皮膚や粘膜を破壊するようになります。そのことが金属アレルギーのメカニズムであります。そして、体内に特定金属が蓄積されることで発症することもあり症状的にはアトピ-のようにになることが多いです。原因となる金属が体内に蓄積されることに長い年月がたっていたこともあり、最初はだれも気が付きませんでした。ところが、ある時、歯科で歯医者さんが行う歯周病の治療で、補綴(ほてつ)とかかぶせ物(クラウン)に特定の金属が使われていることが判明しました。それらの金属が、口の中で唾液にさらされて始終、溶けだしているという状態が続いていることも判明しました。歯科の治療で使われる金属には水銀、ニッケルが主に用いられてきた過去の経緯があります。費用が安いこと、それなりの強度があること等により健康保険対象治療になっています。治療行為を行っていた歯医者さん自身も自体も、銀をふくんだこれらの化合物がこれほどまでに金属アレルギ-を引き起こすとは想定していませんでした。だから、過去においては歯医者さんは、補綴(ほてつ)とかかぶせ物(クラウン)の治療において、一切の迷い無しに銀等の金属アレルギ-を誘発する金属を使っていました。腕時計の金属ベルトで肌に触れるところとか金属製ネックレスの肌に触れるところは、金属アレルギ-が出やすいところです。だから、金属のアクセサリー等によってそのような症状が出た方は、その人の体はその金属に反応している事が考えられます。そしてそして悲しいことに、手や足など全身に皮膚が炎症を起こすなどのアレルギーの症状が出る事があり、一時的なことではなく常態的になることがあり増す。そんな場合に、銀歯を外したら湿疹などの症状がなくなった例がありたくさんあります。現在では歯科治療の詰め物、あるいはクラウンに金属アレルギ-を引き起こさない、セラミックとか金合金を利用することが盛んに行われています。金を主体とした合金で錆びません。その為、保険治療で使用される知られる金属に比べ、イオン化や、歯茎の変色が低いとされています。