2015.11.06

金属アレルギー治療の流れ

ある日、突然全身が痒くなるかきむしってしまい困っているということはしばしば見受けられることであります。また虫歯の治療で歯科に通っており、同時に口内炎、歯肉炎、口唇炎(こうしんえん)、舌炎、口腔扁平苔癬等が出来てしまいそれが治らなくて困っているということもしばしば見受けられることではあります。そういう相談を歯科をしている歯医者さんたちは、患者さんから受けることがあります。金属アレルギ-ではないかということは、歯科の歯医者ならば気が付くことでありますし、そこから金属アレルギ-ではないかということを、調べる作業に入ることがあります。

金属アレルギ-が疑われる患者さんの場合、最初に問診を行い、アレルギ-全般について過去の事柄、既往症について確認を行います。それから、定番になっている検査を行うことになります。基本的にはバッチテストと血液検査ということになります。この検査の結果で陰性と出れば金属アレルギ-ではないということが判明します。と、同時に皮膚科での診察ということになります。一方、陽性という反応が出た場合詳しい検査に入ることになります。原因となっているアレルゲンを探すという行為に入ります。これがかなり手間暇がかかります。

パッチテストなどでアレルゲン金属が確定した場合、悪さを引き起こしている金属がどこにあるのかを探さなければなりません。沢山メタルの被せ等を使っている場合、どこか、あるいは全部なのかということもわかりかねます。存在するかを検索しなければなりません。治療法を確立するのが目的ではなく、歯科の歯医者さんとしては目の前の患者さんの苦しみを緩和するのが目的であります。そうでなければ、口の中にある金属修復物の中にアレルゲン金属が隠れているのかは、目で見てもわかりません。だったら全ての修復物を除去するというわけにもいきません。最近用いられている方法として、パッチテストなどで陽性となった金属元素が口の中にあるかどうかを調べるために、口腔内の詰め物や修復物の義歯を軽く削り、その粉末(約0.1mg)を採取して分析を行うということを行っています。

こうしてようやく除去するべき対象が何か、どこにあるかが明確になったら、原因金属を含んだ修復部を除去し、代替物で再修復を行います。その時に歯科の歯医者さんは、金属アレルギ-に対して十分な知見のある皮膚科の医師と連携して治療にかかることが大切です。また代替品として用いるものは特殊な材料(チタン・ハイブリッドセラミックス・セラミックス・ジルコニア等)による治療システムを用いて、二度と金属アレルギ-が起きないようにすることが大切です。