2015.11.19

金属アレルギーの分類方法

人体には、外から体内に入ってくる病原体を排除するための機構として免疫反応が起きて、病原体を殺してしまう防御機構が備わっています。いわゆるアレルギーとはその状態がかなり激しくなって自分の体に障害や疾患を引き起こしてしまうことを指しています。ちなみに、世の中には花粉症をはじめとする色んなアレルギ-反応があります。その中でアレルギ-症状が金属により現れてしまものを金属アレルギーと呼んでいます。金属アレルギ-の症状としては、皮膚炎や掌蹠膿疱症、口腔扁平苔癬、尋常性乾癬、湿疹などが良く知られています。また歯科用金属が過去の治療で口の中に残されていることで、口内炎や口角炎が起きることもあります。金属アレルギ-のめんどうなところは、金属との接触している部位に限られて出るだけならばいいのですが、他のところに出たりもするので厄介です。つまり歯科用金属では口腔領域に次いで、手、足に症状が現れることが多くなっているのです。また皮膚科の医師で金属アレルギ-に対して知見のない先生がいたりするので、どこの医院に行けばいいのかも迷うところでもあります。

一般にアレルギ-反応は、Ⅰ型~Ⅴ型アレルギーまで分類されています。Ⅰ型アレルギー(アナフィラキシー反応、即時型アレルギー)は、抗原との接触後直ちに反応が起きます。花粉症・蕁麻疹・喘息・アトピー性皮膚炎等が該当します。Ⅱ型アレルギー(組織障害性反応)は、自己免疫性溶血性貧血・血小板減少症が該当します。Ⅲ型アレルギー(免疫複合体反応)は、全身性エリテマトーデスのような恐ろしい症状を引き起こします。Ⅳ型アレルギー(細胞性免疫反応、遅延型アレルギー、細胞免疫型アレルギー)は、
反応が出現するまでの時間が長いのが特徴です。ツベルクリン反応・接触性皮膚炎がまさにそのものであり、金属アレルギーは、この分類の中に入ります。

世の中に出回っている金属にはアレルギーを起こしやすい金属と起こしにくい金属があり、日常的にそれらの金属には触れる機会が多いものです。所謂、貴金属と言われてはいる金やプラチナ、チタンなどは科学的に安定しています。その為に何らかの形で体内に取りこんだり、常態的に触れることがあってもアレルギーを起こしにくい金属と言えるでしょう。片やニッケルや鉛、カドミウム、水銀などはよく金属アレルギー反応を起こす可能性は高いです。以前、金属アレルギ-が注目を浴びていない頃、歯科の歯医者さんは治療に金属アレルギ-を起こしやすい金属を治療に躊躇なく使っていました。それが長年の間に体内に溶けだして悪さをある日突然し始めることがあります。この治療は、歯医者さんも手を焼くものであり、基本的には口内の特定の金属を除去することが先ずすべきことがらなっています。